あこがれのD51(デゴイチ)2014年01月25日 23:03

SL快速碓氷D51・498号

【SL快速碓氷D51・498号】
Nikon D2Hs
AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-200mm F2.8G(102mm)
12bitRAW 1/350sec. F8
ISO:200
やっぱりトロリー線や支柱が邪魔ですね


 JR東日本のイベント列車、蒸気機関車のD51・498号機を見てきました。JR東日本では高崎機関区にD51を復活させ、イベント列車として活躍しだしてから今年で25周年だそうです。
 D51は言わずと知れた国鉄時代の蒸気機関車で、戦中から戦後に主に貨物輸送で大活躍した機関車で、実に1,115両も製造された、日本で一番有名な蒸気機関車です。SLと言えばD51、と言われるくらい、もっとも知名度があると思います。
 自分も子供のころに絵本で見てから、ずーーーっと憧れの存在でした。一度見てみたいと思っていたのですが、長ずるにつれ興味が色々な所に移り変わり、ついぞ見る機会がありませんでしたが、最近の子供たちの撮り鉄ブームに乗じる形で、憧れの存在とご対面です。

 思えばこれまでなんだかんだで結構蒸気機関車を見に行っていましたが、なぜかD51を見ることはありませんでした。これまで見た走っているSLは、
  • 秩父鉄道のパレオエクスプレス C58・363
  • JR東日本のSLえちご日本海号 C57・180
  • 真岡鐡道のSLもおか C11・325、C12・66
 なんと4機も見ていたんですね。意外と言えば意外です。

 それはそうと今日のプチ旅行、当初は自動車で行こうと思っていましたが、連日の激務で疲労がたまっていたので運転に自信がなかったわけではないですが、安全を期して鉄道で行くことにしました。宇都宮駅までは自動車で行きましたが。
 宇都宮からは新幹線で大宮に出て、大宮からも新幹線で高崎まで行きました。SL快速碓氷号は高崎発8時55分。ぎりぎり飛び乗ることが出来ました。
 D51は盛大な汽笛を響かせて高崎駅を発車します。鉄道唱歌の♪汽笛一聲新橋を・・・♪が思い起こされました。
 取り敢えずD51のけん引する12系客車に乗りはしましたが、やはり乗っていたのではD51の雄姿を堪能することは出来ません。と言うことで次の安中駅で下車し、タクシーに飛び乗り撮影スポットまで案内してもらいました。
 カメラを構えて待機していると、遠くから汽笛の音が響いて来ます。ヘッドライトをともしながら白煙をモクモクと吐き出しぐんぐん近づいて来ます。

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疾走D51 498
【疾走D51 498】
Nikon D2Hs
AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-200mm F2.8G(70mm)
12bitRAW 1/320sec. F8
ISO:200

われらがデゴイチ
【われらがデゴイチ】
Nikon D2Hs
AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-200mm F2.8G(70mm)
12bitRAW 1/180sec. F8
ISO:200


 安中での撮影を終えてタクシーで安中駅まで戻ります。その後次の信越本線の在来線で、横川駅までSLを追いかけます。
 横川駅に着くと、たくさんの見物人の中、D51が誇らしげに駐機していました。

終点 横川着
【終点 横川駅着】
Nikon D2Hs
AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-200mm F2.8G(95mm)
12bitRAW 1/60sec. F8
ISO:200

 実は今回気になっていたことがありました。JR東日本のイベント列車パンフに、『往復ともD51が先頭で牽引するのは今回が初めて!』と書いてありまして、、、そうなんです。これまで信越本線の高崎-横川間でのSL運転は、最後尾にディーゼル機関車であるDD51を牽引して運転し、帰りはそのままDD51が先頭で、最後尾にD51をぶら下げる形で高崎に戻って行きました。これは横川駅にはSL運転にはつきものの転車台がないからで、どうしようもない事だったのです。それが今回は往復ともD51が先頭で牽引する、というのだから、どうやってD51が先頭となるのか興味津々でした。
 もしかすると横川駅構内でポイントレールを使って押したり引いたりしながら、D51を高崎方面に移動させ、帰りはバック運転をするのかな?などとも考えましたが、D51は炭水車が別のテンダー式ですので、通常バック運転はしないはずですから、ほんと、どうやって先頭で牽引するんだろうと。
 その答えは単純でした。
 一度入線してきた形のままDD51を先頭にして転車台のある高崎機関区に引き上げ、高崎でD51とDD51を入れ替えて、再びDD51を先頭に横川まで回送してきました。つまり1日2往復させていたんですね。
 これははっきり言って撮り鉄君には大サービスです。何しろ撮影するチャンスが2倍になるんですから。でも今回は鉄道での移動ですからそうそうあちこちのポイントに移動することは出来ません。このことは次回に生かしたいと思います。次回は2月15日にも同様に運行されるので、もう一回来るようですね。

 10時19分、高崎に向けてDD51に牽かれてD51は走り去って行きました。もう一度横川に戻ってくるのは15時34分とのことでしたので、約5時間、横川周辺を探検です。
 横川駅は長野新幹線が開通してから、群馬県内の信越本線の終点となりました。それまでは難所で知られる碓氷峠越えの中継基地として大きな役割を果たしていましたが、いまはその喧騒も無く、静かな山間の駅となっています。
 その廃止された横川から先の鉄道施設を利用して、いまは『碓氷峠鉄道文化むら』というテーマパークがオープンし、鉄道文化を今に伝えるようになっています。
 テーマパーク自体は大して広くも無く、あまり一般ウケするとは思えない施設ですが、鉄道好きにはたまらない工夫が随所に凝らしてありました。
 まずはここの目玉は、本物の電気機関車を運転できる、と言うことです。碓氷峠専用のEF63型電気機関車が数台保存されており、JRの機関士から講習を受けることで運転を体験することができます。ただしこれ、本当に真面目なやつで、受講料も30000円で講習時間も丸1日。運転体験も1回5000円というから、子供がお気軽に出来るものではありません。完全にガチの運転のようです。それでも好きな人はやるんだろうなぁ。
 そこまでガチにならずとも、もっと気軽に運転体験できるものとして、コンピュータを使用した運転シミュレータなるもののあるようです。100インチの大画面を3つをつなげた巨大スクリーンに、横川-軽井沢間の碓氷峠越えを完全再現したもので、運転台も本物のEF63の運転台を使用しているそうです。これなら1回1000円。それでも充分高いけど。一般人ではこれが限度ですよね。
 今回は他にもイベントが目白押しだったので、結局何も体験しませんでしたが、それなりに楽しそうではありますので、時間のある時にゆっくり来たいな~と思いました。
 横川でのもう一つの目的は、廃線跡を歩くことです。横川駅前から旧熊の平駅までの約6kmの区間は『アプトの道』として遊歩道が整備され、明治時代から続く鉄道の遺構を間近に見ることができます。途中にはレンガ造りの橋梁や変電所など、国の重要文化財にも登録されている遺構が多数あり、鉄道ファンでなくても十分楽しめる施設だな、と思いました。
 さすがにアプトの道全区間を歩いて往復する時間は無かったので、横川からタクシーで熊の平まで行き、そこから1時間30分、廃線跡を歩いて来ました。
旧熊の平駅から軽井沢方面
【旧熊の平駅から軽井沢方面】
Nikon D2Hs
TOKINA AT-X DX12-24 F4G(24mm)
12bitRAW 1/180sec. F8
ISO:200

旧熊の平駅から横川方面
【旧熊の平駅から横川方面】
Nikon D2Hs
Ai Nikkor 35mm F1.4S
12bitRAW 1/160sec. F8
ISO:200

アプトの道・めがね橋(重要文化財)
【アプトの道とめがね橋(重要文化財)】
Nikon D2Hs
TOKINA AT-X DX12-24 F4G(24mm)
12bitRAW 1/60sec. F8
ISO:200


 無事に横川駅まで帰りつき、今度は横川行きの回送列車を撮影すべく、事前にあたりをつけておいた横川-西松井田間のポイントへタクシーで移動します。
 今日は上りの高崎行きもD51が牽引するとあって、それなりに人出がありましたが、思ったほど混雑はしていませんでいした。
 横川-西松井田間はそこそこ有名撮影ポイントのようですが、横川からの上り列車では勾配が下りになるので、それほど煙を吐き出さないというのも、人が集まっていない理由かもしれません。まあ子連れには混雑していないということはありがたい事ですので大歓迎です。
 撮影ポイントで待ち構えること10数分、高崎で先頭の入れ替えをしてDD51に牽かれたSL碓氷が帰ってきました。
DD51に牽引され戻ってくるD51
【DD51に牽引され戻ってくるD51】
Nikon D2Hs
AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-200mm F2.8G(200mm)
12bitRAW 1/500sec. F5.6
ISO:500

DD51
【DD51】
Nikon D2Hs
AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-200mm F2.8G(78mm)
12bitRAW 1/250sec. F5.6
ISO:500

最後尾のD51
【最後尾のD51】
Nikon D2Hs
AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-200mm F2.8G(78mm)
12bitRAW 1/100sec. F5.6
ISO:500


 回送列車を見送った後は、横川駅を発車する姿を撮影しにタクシーで戻ります。今日は自動車では無いので追いかけることができず、これが最後の撮影になりました。
 発車の汽笛の大音量が、山間の駅に響くと大量の黒煙を吐きながらD51はゆっくりと動き出して行きました。

D51 498 SL碓氷号
【D51 498 SL碓氷号】
Nikon D2Hs
AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-200mm F2.8G(135mm)
12bitRAW 1/45sec. F5.6
ISO:200


発車を待つD51
【発車を待つD51】
Nikon D2Hs
Ai Nikkor 35mm F1.4S
12bitRAW 1/80sec. F5.6
ISO:200

空高く上がる黒煙
【空高く上がる黒煙】
Nikon D2Hs
Ai Nikkor 35mm F1.4S
12bitRAW 1/250sec. F5.6
ISO:400
蒸気を吐きながら
【蒸気を吐きながら】
Nikon D2Hs
Ai Nikkor 35mm F1.4S
12bitRAW 1/250sec. F5.6
ISO:400

 横川駅でD51を見送った後は、次の在来線で帰路につきました。車で来ていれば磯部や安中で追い付くことも出来たでしょうが、是非に及ばず。
 とにかく信越本線でのSL撮影は初めてだったので、今日は様子を探る意味もありましたので、これくらいで良しとしなければなりません。
 今回は列車での移動だったため荷物の制限があり、リンホフ一式は置いてきてしまいましたので、ある意味今回は下見と割り切り、次回は万全の態勢でベストショットをものにしたいと思います。
 今日の主な装備は、、、
  • ボディ・・・Nikon D2Hs
  • 広角ズームレンズ・・・TOKINA AT-X DX12-24 F4G
  • 望遠ズームレンズ・・・AF-S VR Zoom Nikkor ED 70~200mm F2.8G
  • 広角レンズ・・・Ai Nikkor 35mm F1.4S
  • AF-Sテレコンバータ・・・Ai AF-S TELECONVERTER TC-17E II