大判カメラってどんなカメラ?② ― 2007年01月14日 20:45
昨日の続きです。今日は大判カメラで使用するフィルムや露出制御などのお話しです。
フィルムに関していえば一昨日の記事にもありますが、大判カメラで使用するフィルムは一般的なロール式ではなく一枚一枚が別になっている”カットフィルム(シートフィルムともいう)”を使っています。撮影時には専用のフィルムホルダに装填したフィルムをカメラ後部のピントグラス位置に装着し、遮光用の引き蓋を引いて撮影する仕組みになっています。このためフィルム装着後はフレーミングやピントの確認が出来なくなるため、動きのあるものを撮影できる機動性はあまりありませんが、その分時間をかけてしっかり準備し、じっくりと撮影することができます。また、露出・構図とも全く同じカットを何枚か撮影しておいて、撮影後の現像処理で一枚だけを現像して仕上がりを確認したのち、もう少し明るめがよければ残りのフィルムを増感処理をすることにより、より自分のイメージに合った作品に仕上げる、といったようなことも可能です。
露出に関しても完全な手動式で、プログラムオートや絞り優先オートなどの機能なんて無いことは言うに及ばず、露出計すら内蔵されていません。単体の露出計で測った数値を撮影状況に応じて自分で設定し、露出調整を行うのです。
さらにいうと、TTL測光(スルー・ザ・レンズ:レンズを通した光を測る)方式ではないので、近接撮影時やフィルターを装着したときなどは露出倍数を計算に入れなければなりません。
この他に大判カメラならではの魅力に”アオリ撮影(カメラムーブメント)”が挙げられます。アオリは本来レンズ光軸とフィル面の中央で平行に保たれている光軸を意識的に平行(シフト・ライズ・フォール)または角度をつけてずらす(チルト・スイング)ことで被写体の歪みを矯正したり、ピントの合う位置をコントロールすることを言います。大判カメラ以外でも一部のカメラでアオリ機構のあるものもありますが(以前使用していたGX680はアオリ機構搭載の中判カメラでした)、使いやすさやアオリの量などにおいて大判カメラの右に出るものはありません。アオリを使うために大判カメラに中判(ブローニー)のロールフィルムホルダを装着して撮影することも有るほどです。
このように大変な手間が掛かるように思われる大判カメラも実際の撮影で操作する内容は35ミリカメラや中判カメラと大きな差は有りません。基本的にピントと露出をあわせフレーミングをし、シャッターを切るだけです。
これらの作業はコツさえつかめばそれほど難しいものではなく、落ち着いて操作すれば思い通りに動いてくれます。何よりも大判カメラの魅力は長い歴史の中で作り込まれた扱いやすく滑らかな操作感です。シンプルな機能の大判カメラは”自分でカメラを操作して自分で写真を撮る”ことの楽しさを教えてくれるのです。
明日は大判カメラで使うレンズのお話でもしましょうかね。
フィルムに関していえば一昨日の記事にもありますが、大判カメラで使用するフィルムは一般的なロール式ではなく一枚一枚が別になっている”カットフィルム(シートフィルムともいう)”を使っています。撮影時には専用のフィルムホルダに装填したフィルムをカメラ後部のピントグラス位置に装着し、遮光用の引き蓋を引いて撮影する仕組みになっています。このためフィルム装着後はフレーミングやピントの確認が出来なくなるため、動きのあるものを撮影できる機動性はあまりありませんが、その分時間をかけてしっかり準備し、じっくりと撮影することができます。また、露出・構図とも全く同じカットを何枚か撮影しておいて、撮影後の現像処理で一枚だけを現像して仕上がりを確認したのち、もう少し明るめがよければ残りのフィルムを増感処理をすることにより、より自分のイメージに合った作品に仕上げる、といったようなことも可能です。
露出に関しても完全な手動式で、プログラムオートや絞り優先オートなどの機能なんて無いことは言うに及ばず、露出計すら内蔵されていません。単体の露出計で測った数値を撮影状況に応じて自分で設定し、露出調整を行うのです。
さらにいうと、TTL測光(スルー・ザ・レンズ:レンズを通した光を測る)方式ではないので、近接撮影時やフィルターを装着したときなどは露出倍数を計算に入れなければなりません。
この他に大判カメラならではの魅力に”アオリ撮影(カメラムーブメント)”が挙げられます。アオリは本来レンズ光軸とフィル面の中央で平行に保たれている光軸を意識的に平行(シフト・ライズ・フォール)または角度をつけてずらす(チルト・スイング)ことで被写体の歪みを矯正したり、ピントの合う位置をコントロールすることを言います。大判カメラ以外でも一部のカメラでアオリ機構のあるものもありますが(以前使用していたGX680はアオリ機構搭載の中判カメラでした)、使いやすさやアオリの量などにおいて大判カメラの右に出るものはありません。アオリを使うために大判カメラに中判(ブローニー)のロールフィルムホルダを装着して撮影することも有るほどです。
このように大変な手間が掛かるように思われる大判カメラも実際の撮影で操作する内容は35ミリカメラや中判カメラと大きな差は有りません。基本的にピントと露出をあわせフレーミングをし、シャッターを切るだけです。
これらの作業はコツさえつかめばそれほど難しいものではなく、落ち着いて操作すれば思い通りに動いてくれます。何よりも大判カメラの魅力は長い歴史の中で作り込まれた扱いやすく滑らかな操作感です。シンプルな機能の大判カメラは”自分でカメラを操作して自分で写真を撮る”ことの楽しさを教えてくれるのです。
明日は大判カメラで使うレンズのお話でもしましょうかね。
コメント
_ biei no oka ― 2007年04月20日 09:46
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これからも、ぜひupして行って下さい。楽しみにしています。 プロフィール等差支えの無い範囲で何処に書かれているのか解かりません・・・・。