新緑の霧降ノ滝 ― 2007年05月15日 22:23
【新緑滴る霧降ノ滝】
春の遅い日光にも、新緑真っ盛りの季節がやってまいりました。
奥日光はまだまだこれからですが、霧降ノ滝周辺は意外と標高も低く、今が見頃を迎えています。
今日は夕方に少し時間があいたので、雨上がりの霧降高原に行ってみました。
霧降高原には、かの有名な霧降ノ滝が有りまして、華厳ノ滝、裏見ノ滝と並んで、日光三名瀑に数えられています。
霧降川にかかる滝は上下二段になっていて、上段が25メートル、下段が26メートル、高さは全体で約75メートルあり、下段の滝が、まるで霧を降らせるかのように水が岩に当たり、飛び散って流れ落ちるさまから、この名がついたといわれています。滝の正面に観瀑台があり、そこから全容を眺められ、その全景はまさに『圧巻』の一言で、周囲の景観と溶け合った滝の姿は新緑から紅葉まで楽しめますが、とりわけ10月中旬~下旬の紅葉の時期が一際光彩を放ちます。
とは言っても新緑の瑞々しさも捨て難く、自分はどちらかと言えば人出の少ない新緑時期が好きですね。静かにゆっくり見られるし、落ち着いて写真を撮る事が出来ますから。
さて、前述の通り霧降ノ滝には駐車場から尾根伝いの遊歩道沿いに行った所に観瀑台が有り、そこから滝の全容が手に取るように見られるのですが、観瀑台の位置が滝から少々遠く、また滝よりも高い所に位置していますので、滝の持つ迫力を感じるには物足りなさは否めません。やっぱり滝は上から見るよりも下から見た方が迫力が全然違います。
ただ、山や観光のガイドブック等にも滝壺までの道やガイドは示されておらず、世間一般には観瀑台からしか見られない、と思われているようです。
しか~~し、実は滝壺まで下りられる道があるのです。既に廃道となり国土地理院発行の25000分の1地形図からも抜け落ちていますが、20年以上前の地図には歩道(登山道)として記載されていました。
ただ、廃道ですから誰も手入れをしていませんので、それはもう荒れ放題です。石段は崩れ倒木が道を塞ぎ、沢水が滲み出しぬかるんでいる所も有ります。途中には手で体を支えなければ超えられない岩場も有ります(高さは精々2~3メートルですが)。
まあ、自分が歩いてみるとそれほどの危険は感じませんが、日光が観光地化されツアーバスが大挙して押し寄せる昨今では、ハイヒールや草履履きの勘違い人間が入り込む可能性もあり、危険回避・事故予防の措置なんでしょうね。
廃道となった詳しい経緯は定かでは有りませんが、遊歩道と観瀑台が設置された時に廃道となったのかもしれません。
でも滝壺までの道の入り口には、『滝壺までは危険ですので、立ち入りはご遠慮下さい』の看板が設置されています。『ご遠慮下さい』であって『禁止』では無いので、自分は図々しく入って行きますが、そこはお約束の自己責任。何か事故があっても全て自分の責任ですから、行動には十分注意が必要です。まあ、穂高や剱に行く覚悟と技術が有れば、まったく恐れるに足りませんが。
自分は人とは違う、自分だけのカメラアングルを求めて突き進みます。
さて、それはそうと新緑に囲まれながら件の廃道を滝壺目指して下りていきます。去年の秋から通い慣れた道なので、何の不安も有りません。
そして約10分後、無事滝壺に到着。早速荷物を降ろし、先ずはD2Hs片手にロケハン。どこか良いポジションはないかな~~~とうろうろします。
ここで言う『良いポジション』とは、単に滝や新緑が美しく見える場所、と言う事ではなく、しっかりとした足場が確保出来るか、と言う事が重要だったりします。
一般的な35ミリ一眼レフであれば、本体にズームレンズを付けた状態で、極端に言えば"片手持ち"でも撮影出来ます。
しかしながら大判カメラは必ずと言っても良いほど三脚を使わないと撮影出来ませんし、交換レンズや露出計、フィルムホルダーなど付随するアクセサリー類も多いので、先ずは荷物置場としっかりとした足場の確保が重要です。
言い方を変えると、35ミリ一眼レフは機動力に勝り、大判カメラは機動力が劣る、と言う事です。
因みに滝壺から見上げると、上段部分はあまりよく見えず落差自体は大きく感じないのですが、下段の滝は垂直落下ではなく、末広がりとなった傾斜した岩盤を滑り落ちるようになっているので、絹を引いたように流れ落ちる様は、なんと言いますか女性的な滑らかな美しさを感じます。
さてさて肝心のフィルム撮影ですが、緑といえばRVPなので今日の撮影はISO50の低感度設定です。
でもって、大判での風景撮影では当然ある程度絞り込まないといけませんので、どうしても超スローシャッターになってしまいます。
引きの欲しい場面でしたので、お気に入りのスーパージンマーHM/120mm/F5.6を装着。パンフォーカス(画面全体にきっちりとピントの有った状態)にするためF32まで絞り込んだ状態で露出を測ると、適正シャッター速度は何と4秒。風があったら絶対にぶれてしまい撮影出来ない状況です。
幸いにして今日はほぼ無風状態でしたので、腕時計で秒針の動きを確認しながら、バルブにて4秒のシャッターを切りました。
因みに撮像素子がAPS-CサイズのD2Hsでは、4×5インチ判での焦点距離120mm・F32に相当する画角と被写界深度を得るためには、焦点距離23mm・F6.3となります。
そしてD2Hsは実効感度がISO200からなので、F6.3の時にほぼ同等の露出を得るためのシャッター速度は15分ノ1秒となります。15分ノ1秒でしたらギリギリ手持ちでも何とかなる速度ですね。
まあ、そうはいっても折角三脚を持ってきているので、さらにくっきりとした絵を得るためにF11まで絞り込み、8分ノ1秒で撮影したのが下のカットです。
[画像にマウスカーソルを合わせ左クリックでオリジナルサイズ(2464×1632)の画像を別ウインドウで表示します(5月一杯有効)・以下同じ]

【新緑の霧降ノ滝】
D2Hs RAW
Tokina AT-X 124 PRO DX F4 ASPHERICAL (22mm)
1/8sec. F11
WB:自然光(晴天)
カラーモード:Ⅱ
ISO 200

【新緑の霧降ノ滝(ググッと寄って)】
D2Hs RAW
Tokina AT-X 124 PRO DX F4 ASPHERICAL (12mm)
1/80sec. F8
WB:自然光(晴天)
カラーモード:Ⅱ
ISO 800
ノイズリダクション 10(シャープ5)
う~ん、何とか後処理で色々細工しているのですが、やっぱり透明感と言うか立体感が出ませんね。モニターの所為も有るかと思いますが、やっぱりデジタルはまだまだフィルムには遠く及ばない様な気がします。
その後、色々アングルを代えながら、90mmと210mmでも撮影。
あまりゆっくりしていられないので、今日のフィルムでの撮影枚数は4枚。
まあ、緑の具合や気象的な条件にも恵まれて、満足いく撮影でした。あとは仕上がり具合がどうか、です。
いつものように帰りがけにヨドバシに現像依頼してきました。
今日の結果は、いずれ本ブログで紹介します。
例によってオリジナル画像を掲載しておきますのでよかったら覗いてみてください。5月一杯は掲載しておきます。
→私のアルバム
今日の主な装備
春の遅い日光にも、新緑真っ盛りの季節がやってまいりました。
奥日光はまだまだこれからですが、霧降ノ滝周辺は意外と標高も低く、今が見頃を迎えています。
今日は夕方に少し時間があいたので、雨上がりの霧降高原に行ってみました。
霧降高原には、かの有名な霧降ノ滝が有りまして、華厳ノ滝、裏見ノ滝と並んで、日光三名瀑に数えられています。
霧降川にかかる滝は上下二段になっていて、上段が25メートル、下段が26メートル、高さは全体で約75メートルあり、下段の滝が、まるで霧を降らせるかのように水が岩に当たり、飛び散って流れ落ちるさまから、この名がついたといわれています。滝の正面に観瀑台があり、そこから全容を眺められ、その全景はまさに『圧巻』の一言で、周囲の景観と溶け合った滝の姿は新緑から紅葉まで楽しめますが、とりわけ10月中旬~下旬の紅葉の時期が一際光彩を放ちます。
とは言っても新緑の瑞々しさも捨て難く、自分はどちらかと言えば人出の少ない新緑時期が好きですね。静かにゆっくり見られるし、落ち着いて写真を撮る事が出来ますから。
さて、前述の通り霧降ノ滝には駐車場から尾根伝いの遊歩道沿いに行った所に観瀑台が有り、そこから滝の全容が手に取るように見られるのですが、観瀑台の位置が滝から少々遠く、また滝よりも高い所に位置していますので、滝の持つ迫力を感じるには物足りなさは否めません。やっぱり滝は上から見るよりも下から見た方が迫力が全然違います。
ただ、山や観光のガイドブック等にも滝壺までの道やガイドは示されておらず、世間一般には観瀑台からしか見られない、と思われているようです。
しか~~し、実は滝壺まで下りられる道があるのです。既に廃道となり国土地理院発行の25000分の1地形図からも抜け落ちていますが、20年以上前の地図には歩道(登山道)として記載されていました。
ただ、廃道ですから誰も手入れをしていませんので、それはもう荒れ放題です。石段は崩れ倒木が道を塞ぎ、沢水が滲み出しぬかるんでいる所も有ります。途中には手で体を支えなければ超えられない岩場も有ります(高さは精々2~3メートルですが)。
まあ、自分が歩いてみるとそれほどの危険は感じませんが、日光が観光地化されツアーバスが大挙して押し寄せる昨今では、ハイヒールや草履履きの勘違い人間が入り込む可能性もあり、危険回避・事故予防の措置なんでしょうね。
廃道となった詳しい経緯は定かでは有りませんが、遊歩道と観瀑台が設置された時に廃道となったのかもしれません。
でも滝壺までの道の入り口には、『滝壺までは危険ですので、立ち入りはご遠慮下さい』の看板が設置されています。『ご遠慮下さい』であって『禁止』では無いので、自分は図々しく入って行きますが、そこはお約束の自己責任。何か事故があっても全て自分の責任ですから、行動には十分注意が必要です。まあ、穂高や剱に行く覚悟と技術が有れば、まったく恐れるに足りませんが。
自分は人とは違う、自分だけのカメラアングルを求めて突き進みます。
さて、それはそうと新緑に囲まれながら件の廃道を滝壺目指して下りていきます。去年の秋から通い慣れた道なので、何の不安も有りません。
そして約10分後、無事滝壺に到着。早速荷物を降ろし、先ずはD2Hs片手にロケハン。どこか良いポジションはないかな~~~とうろうろします。
ここで言う『良いポジション』とは、単に滝や新緑が美しく見える場所、と言う事ではなく、しっかりとした足場が確保出来るか、と言う事が重要だったりします。
一般的な35ミリ一眼レフであれば、本体にズームレンズを付けた状態で、極端に言えば"片手持ち"でも撮影出来ます。
しかしながら大判カメラは必ずと言っても良いほど三脚を使わないと撮影出来ませんし、交換レンズや露出計、フィルムホルダーなど付随するアクセサリー類も多いので、先ずは荷物置場としっかりとした足場の確保が重要です。
言い方を変えると、35ミリ一眼レフは機動力に勝り、大判カメラは機動力が劣る、と言う事です。
因みに滝壺から見上げると、上段部分はあまりよく見えず落差自体は大きく感じないのですが、下段の滝は垂直落下ではなく、末広がりとなった傾斜した岩盤を滑り落ちるようになっているので、絹を引いたように流れ落ちる様は、なんと言いますか女性的な滑らかな美しさを感じます。
さてさて肝心のフィルム撮影ですが、緑といえばRVPなので今日の撮影はISO50の低感度設定です。
でもって、大判での風景撮影では当然ある程度絞り込まないといけませんので、どうしても超スローシャッターになってしまいます。
引きの欲しい場面でしたので、お気に入りのスーパージンマーHM/120mm/F5.6を装着。パンフォーカス(画面全体にきっちりとピントの有った状態)にするためF32まで絞り込んだ状態で露出を測ると、適正シャッター速度は何と4秒。風があったら絶対にぶれてしまい撮影出来ない状況です。
幸いにして今日はほぼ無風状態でしたので、腕時計で秒針の動きを確認しながら、バルブにて4秒のシャッターを切りました。
因みに撮像素子がAPS-CサイズのD2Hsでは、4×5インチ判での焦点距離120mm・F32に相当する画角と被写界深度を得るためには、焦点距離23mm・F6.3となります。
そしてD2Hsは実効感度がISO200からなので、F6.3の時にほぼ同等の露出を得るためのシャッター速度は15分ノ1秒となります。15分ノ1秒でしたらギリギリ手持ちでも何とかなる速度ですね。
まあ、そうはいっても折角三脚を持ってきているので、さらにくっきりとした絵を得るためにF11まで絞り込み、8分ノ1秒で撮影したのが下のカットです。
[画像にマウスカーソルを合わせ左クリックでオリジナルサイズ(2464×1632)の画像を別ウインドウで表示します(5月一杯有効)・以下同じ]
【新緑の霧降ノ滝】
D2Hs RAW
Tokina AT-X 124 PRO DX F4 ASPHERICAL (22mm)
1/8sec. F11
WB:自然光(晴天)
カラーモード:Ⅱ
ISO 200
【新緑の霧降ノ滝(ググッと寄って)】
D2Hs RAW
Tokina AT-X 124 PRO DX F4 ASPHERICAL (12mm)
1/80sec. F8
WB:自然光(晴天)
カラーモード:Ⅱ
ISO 800
ノイズリダクション 10(シャープ5)
う~ん、何とか後処理で色々細工しているのですが、やっぱり透明感と言うか立体感が出ませんね。モニターの所為も有るかと思いますが、やっぱりデジタルはまだまだフィルムには遠く及ばない様な気がします。
その後、色々アングルを代えながら、90mmと210mmでも撮影。
あまりゆっくりしていられないので、今日のフィルムでの撮影枚数は4枚。
まあ、緑の具合や気象的な条件にも恵まれて、満足いく撮影でした。あとは仕上がり具合がどうか、です。
いつものように帰りがけにヨドバシに現像依頼してきました。
今日の結果は、いずれ本ブログで紹介します。
例によってオリジナル画像を掲載しておきますのでよかったら覗いてみてください。5月一杯は掲載しておきます。
→私のアルバム
今日の主な装備
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フィルムカメラ
- ボディ・・・リンホフ マスターテヒニカ2000
- 超広角レンズ・・・ニッコールSW90mm F4.5S
- 広角レンズ・・・スーパージンマーHM 120mm F5.6MC
- 標準レンズ・・・アポジンマー 150mm F5.6 MC(使わなかった)
- 中望遠レンズ・・・アポジンマー 210mm F5.6 MC
- フィルムホルダー・・・フィディリティーエリート 4×5ホルダー(5枚)
- 単体露出計・・・セコニックL406
- 三脚・・・GIZTO G1349(雲台G1570M)
- 冠布・・・銀一オリジナル4×5用
- ピントチェック用ルーペ・・・シュナイダーマグニファイヤー×6 アスフェリック
- 4×5シートフィルム・・・RVP
- その他・・・レリーズケーブル、レンズクロス、ブロアーなど
-
デジタルカメラ
- ボディ・・・Nikon D2Hs
- 広角ズームレンズ・・・Tokina AT-X 124 PRO DX F4 ASPHERICAL
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